The doshisha Times 春号「新島先生のことば」
「『先従隗始』といふ精神から、私は敢て一身を挺して、この事業に当ったわけであります。従って之れは私一人では決して成し就げることは出来ません。私は隗の役目を果すもので、私の後に楽毅が出てこなければならん。」
<新島襄言志録121項>
先従隗始(先ず隗より始めよ)とは、前漢の劉向が戦国時代の遊説の士の言説、国策、献策、その他の逸話を編集した書物『戦国策』の中にでてくる言葉で、この故事は、「事を始めるには、自分からやりださなければならない。人に言いつける前に自分が積極的に着手せよ。」という意味とのこと。
「隗」とは、中国の戦国時代の「燕(エン)」という国の人で、「郭隗」という人。燕の昭王が優れた人材を求めているという話を聞き、その昭王に話して聞かせた話が所以。
楽毅とは、昭王を助けて、燕国を盛り上げた武将。
同志社の理念「良心と自由」にある通り、新島襄はその大きな志によって同志社を設立するという端緒を作ったけれど、その大きな志の成就のためには、多くの、その志を継ぎ育ててくれる有意の人材が出てこなければならない、否、出てきて欲しい。という彼の200年の計を語った言葉だと読み取れます。
...にしても、キリストの言葉にその生涯を捧げた新島襄が中国の故事にも深い理解があったというのは幕末人の教養の深さを感じさせる景色だと言わざるをえません。
余談ではありますが、当然ながら『The Doshosha Times』は校友会会員を対象にした情報誌です。実は、今回沖縄県支部校友会のホームページを担当させて頂き、校友会本部や交友課の方々と情報交換をさせて頂く中で、「おっと、こいつは校友会に未加入だな?!」と気づかれたようで、春先のある日、校友課から校友会への入会案内が届きました。小生はこれまで長年にわたり校友会に極めて消極的だったため未入会でしたが、今度ばかりは快く(?)終身会員に入会させて頂きました。そしてめでたく『The Doshosha Times 春号』をゲットさせて頂いた次第です。
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文責:HP担当 藤原
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