漫画『葬送のフリーレン』考
※撮影:藤原
『葬送のフリーレン』
これは週刊少年サンデーで連載されている山田鐘人さん原作/アベツカサさん作画の漫画だ。
だが、たかが漫画と侮ってはいけない。
「これを読んだ後、あなたはきっと、少しだけ、以前のあなたとは違っているはず。」
と、勝手に思っている。
それは、己の人生の来し方に思いを馳せ、
行く末を、残された人生を、如何にあるべきかに思いを巡らす、はずの物語だ。
始まりは勇者一行がめでたくラスボスの魔王を倒して王都に凱旋する荷馬車の中。
主人公は勇者…ではなく勇者一行の1人、エルフの魔法使いフリーレン。
どっちが亜種かは定かでないが、私たちホモ・サピエンスと同じ人類種であるエルフのフリーレンは千年以上生きている。
にも関わらずこの若さだ。難なく二千年以上生きるのだろう。
始まりから50年はビデオの早送りのように瞬く間に過ぎ、やがて勇者ヒンメルは天国へと召されていく。
そして新たな仲間との新たな旅が始まる。
しかし、魔王無き今、その旅は魔王討伐の旅ではない。
それは勇者ヒンメルの痕跡を辿る旅であり、それは人を知る旅、そして読み手が己自身を知る旅でもある。
だから侮れないのである。
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文責:HP担当 藤原
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