悠久の旅
※画像:藤原作
『私は現在、地球から242億2000万km(150億5000万マイル) 離れています。宇宙の広大さには、宇宙の中の自分の場所について真剣に考えさせられる何かがあります。』
10月18日にNASAのX(twitter)に投稿されたヴォイジャー1号のつぶやきです。
もちろん、彼自身が呟いたわけではありません。
私たちの太陽圏から旅立ち、はるか銀河の海原をたったひとりで航海しているヴォイジャー1号を想い、その感慨をNASAが呟いたのです。
1977年9月5日、奇しくも僕が同志社大学の門をくぐった年に打ち上げられた宇宙探査機ヴォイジャー1号は打ち上げから46年経った今も地球に信号を送り続けているのです。
1979年3月5日に木星(太陽からの平均距離7億7834万km)に再接近し、1980年11月12日には土星(同14億2667万km)に接近。
その後2012年8月25日には太陽の進行方向、太陽から約177億kmの距離にあるヘリオポーズと呼ばれる太陽風と星間物質がぶつかり合う空間、つまり太陽圏を飛び出し、人類史上初めて銀河系の星間宇宙を「へびつかい座」に向かって悠久の旅を続けているのです。
ヴォイジャー1号とその16日後に打ち上げられた2号は、それぞれ太陽圏を超え銀河の海原を航海しています。
ヴォイジャー1号は速度16.997km/sで、約300年後には更に先にある何十億個もの氷結した彗星が集まる帯「オールトの雲」に入り、約4万年後に「グリーゼ445」という赤色巨星に約1.7光年の距離まで接近する見込みで、ヴォイジャー2号は速度15.199km/sで、29万6000年後にシリウスから約4光年まで接近する見込みだそうです。
なんという悠久なる時間の尺度。
2機のヴォイジャーの原子力電池は2025年まで地球との通信を維持するに足る電力を供給できると期待されていますが、その後は地球でのミッションはすべて終了し、やがてヴォイジャーが永遠にも似た旅を続けていることも忘れられ、やがてはこの人工物の創造主である人類そのものも絶滅しているかもしれないというのに、彼らは宇宙という孤立無援な空間を永遠に旅していくのです。
今夜はそんなヴォイジャーの悠久の旅を想いながら乾杯❗️
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文責:HP担当 藤原
Mail:info@okinawa.doshisha-alumni.org
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