沖縄科学技術大学院大学の客員教授がノーベル賞受賞
10月3日、スウェーデンのカロリンスカ研究所は2022年のノーベル医学生理学賞をドイツ・マックスプランク進化人類学研究所のスバンデ・ペーボ教授に授与すると発表しました。ペーボ教授は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の客員教授も務めており、沖縄タイムス、琉球新報とも4日1面トップで報じています。また、沖縄タイムスは6面で、琉球新報は7面で、それぞれその業績の詳細を解説しています。
授賞理由は「絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)と進化に関する発見」
骨に含まれるDNAは時間の経過とともにバラバラに壊れてしまい、多くの人が数万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨にDNAが残っているとは思っていなかったにもかかわらず、地道な努力で研究を重ねわずかに残っていることを見つけ、そのDNAの解析を行い方法を改良することで課題を克服し、2020年、約4万年前に絶滅したネアンデルタール人のゲノム配列を発表しました。
これによりネアンデルタール人と私達(ホモ・サピエンス)が混血していたことを突き止めました。このことから約7万年前にアフリカを出た私達がネアンデルタール人と出会った後に世界中に、そしてアジア、日本列島に拡散したと考えられるようになりました。「私達はどこから来たのか」という問いに新たな光を当てたのです。
また、シベリアのデニソワ洞窟から出土した骨片由来のDNAからゲノムを解読し、それまで知られていなかった絶滅した人類のものと確認し「デニソワ人」と名付けました。
ペーポ教授は、OISTではヒト進化下のミクスユニットに所属し、拠点をドイツに置きつつ研究を続けています。OIST着任後の2020年9月には、新型コロナの重症化リスクにかかわる遺伝子がネアンデルタール人に由来することを突き止め、論文が「ネイチャー」に掲載されました。
(沖縄タイムス、琉球新報の紙面より引用)
因みにOISTは、学術出版の英シュプリンガー・ネイチャー発表の「質の高い論文ランキング2019」では、世界9位となっています。当然国内では東京大学を凌ぎ堂々の1位です。沖縄には凄い大学があるんですね。私的には入学は無理筋だとしても用務員か何かでOISTの空気だけでも吸いたい気分です。
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文責:藤原
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